えそ醤油

連続で訪問をさせていただいた、イチビキさんとヤマサ醤油さん。関連がなさそうで、じつはあるのです。ちくわの原料となるのはグチ、エソ、ハモの魚です。身の部分と頭や骨などに分けられて、ちくわに使われない部分がでてくるのですが、この素材を使った魚醤づくりのプロジェクトが、イチビキさんとの共同開発として進んでいるのです。

えそ醤油

実は、ヤマサちくわの佐藤常務とイチビキの中村社長は同級生。同窓会の席での何気ない会話がきっかけだったとか。

イチビキさんの研究開発部では国内、そして海外の魚醤を集めて味比べをしたそうです。最初の感想は、くさい。魚醤といえば独特の臭いが特徴ともされますが、とにかく、くさい。ここをなんとかできないかと感じたそうです。

一般的な魚醤は塩漬けです。魚の内臓にある酵素によって魚のタンパク質がうま味成分のアミノさんに分解されることでつくられます。つまりは発酵というより分解による作用なのですが、ここに醤油づくりで培ってきた発酵の技術を加えることができないかという挑戦です。

えそ醤油

最初はやはり失敗つづき。くさくなってしまい、泣く泣く捨てる日々。改善の第一歩は鮮度だったそうです。当初は、さばいた魚をヤマサちくわさんからイチビキさんに運んで塩漬けにしていたそうですが、ヤマサちくわさんでさばいた時点で塩漬けにする。素材が新鮮だとくさくなる割合がぐっと少なくなるそうです。そこに醤油の麹を加えて乳酸菌、酵母菌も加えて発酵をさせる工夫を積み上げてきたそうです。

一般的に発酵しない溜醤油を発酵させているイチビキさんの技術。それがまさに活用されているわけです。発酵過程の魚醤の諸味を見せていただきましたが、おどろくほどにいやなにおいが皆無で、これ本当に魚醤ですか?と聞いてしまうほど。魚醤はくさいという思い込みがなくなってしまうような味わいでした。