人と機械が感じる温度の違い/小笠原味淋醸造(愛知県碧南市)

小笠原さんと糀づくりの話をしていました。

蒸した米に麹菌をつけて繁殖をさせる工程。日本酒づくりなどで杜氏さんが汗だくになりながら米をかき混ぜながらしている、あの作業です。

一般的には2日〜3日かけて行うもので、職人が適切なタイミングで手入れをすることでよい糀ができあがります。

麹菌が育つと温度があがるのですが、上がりすぎても下がりすぎてもだめ。ちょうどよい温度と湿度の調整をしながら麹に手を入れるのですが、タイミング次第で出来栄えが変わってしまう繊細は作業。

この期間中、つくり手は気が気じゃないと皆が口にします。





とくに温度経過は大切。温度計でしっかりと測ります。

センサーとつなげて、設定していた温度になると自動で手入れがスタートする仕組みになっていたり、想定と異なる温度になると警告音がでるようにしている蔵元も多いです。





小笠原さんは「同じ35度でも、元気のいい35度と元気のない35度があるよね」と言います。温度計で測ると同じ35度。でも、手を入れた時の感じ方が違うそうです。

これからどんどん熱をあげていきそうな、そんな勢いを感じるのが元気のいい35度。当然、その後の対処の仕方も異なります。

このような感覚が、同じ作業をひたすら反復し続けることで身につく職人ならではのものなのでしょうね。