アルコールが入っている醤油は悪いもの?

醤油 アルコール

■ 白カビ発生をおさえる目的

ラベルの原材料表示に大豆や小麦と並んでアルコールが記載されている醤油があります。そして、アルコールが書かれている醤油は悪い醤油だという意見を耳にすることもありますが、そう断定することはできないと感じています。

そもそもなぜアルコールを加えるかというと、白カビが発生することを防ぐためです。白カビは産膜酵母ともよばれていて家庭で醤油づくりをしていたり、量り売りをしていた時代には日常茶飯事として発生していたもので、布でこして普通に使っていたそうです。

好塩性の酵母菌の一種でぬか床の表面を覆う白い膜状の物の仲間なので、体内に入っても無害なのですが、現代では風味や香りを劣化させてしまうためビンの中での発生を防ぐ対策をしています。


醤油 アルコール

■ 白カビをおさえる3つの要素

産膜酵母の発生を防ぐには3つの要素があります。塩分が高いこと、うま味成分(窒素量)が高いこと、アルコール濃度が高いことです。この3つがバランスよく高ければよいのですが、どれか一つが低い場合は他の要素を増やす必要があります。

例えば、うま味成分が比較的少ない淡口醤油の場合、塩分を高めるかアルコールを高めるかの選択になります。そこで、塩分もできるだけ低く抑えたいという場合はアルコールを加えるという選択肢になってくるのです。逆に、アルコールを加えたくない時は塩分濃度を高めてあげれば原材料表示はシンプルな表示のまま保つことができます。

醤油の栓をあけた時にふわっとよい香りが立ちのぼってくるのはアルコールの揮発効果によるところもあり、発酵過程でアルコールは自然発生しています。酵母菌の働きによりアルコールがつくられて、商品としての醤油になった段階でも2%〜3%程度のアルコール濃度があります。添加されるアルコールはサトウキビなどからつくられる醸造アルコールが使われることが多いようです。


醤油 アルコール

■ どんな目的で使っているか

一方で、アルコールが添加されている醤油全てをおすすめできるかというと、そうとも言い切ることができず、安価に流通させることを目的にうま味成分を低くした醤油にアルコールを添加する場合もあります。

そのため、原材料表示にアルコールと書かれているから悪いもので、書かれていないから良いものという判断ではなく、つくり手がどのような目的でアルコールを使っているかで判断をしないといけないと思うのです。

http://www.s-shoyu.com/know/kh/074.html

結露した床にどう対処するか

城さんの奮闘記が到着。気づけば97本目。2010年から地道に更新し続けてくれています。4度目の仕込みがスタートしている時期で、その近況に加えて今回は結露について書いています。麹をつくる室の中は、麹菌が繁殖しやすいように温かくて湿度が高い環境をつくります。閉ざされた空間内でも上の方と下の方では温度が違ったり湿度のこもり方が違ったりと麹にとって最適な環境を考えるとあれもしたいこれもしたいとなるものですが、結露した床にどう対処するかという話題です。以外にシンプルな方法が有効だったりして。

■ [奮闘記 vol.97] 2016年の仕込み
http://www.s-shoyu.com/jo/097.htm

中定商店(宝山 丸大豆たまり)

中定商店

溜醤油の5銘柄目となる新商品が到着しました。

溜といえば愛知県武豊町。「尾張のたまり」を手掛ける丸又商店や「つれそい」の南蔵商店と同じ武豊町ですが、軒を連ねるように蔵元が密集しているエリアから車で数分の距離に中定商店はあります。

中定商店のつくる豆味噌は料亭などの料理人の中では有名な存在ですが、その製造現場を見ると驚くばかりです。ご家族とパートさんによる少人数で、超が付くほどの重労働を繰り返しています。

豆味噌と溜を造る醸造蔵 中定商店
http://www.s-shoyu.com/nakasada/

魚屋さんにお目当ての魚がない

あけましておめでとうございます。1月5日は二十四節気の「小寒」でした。職人醤油のサイトで恒例にしている二十四節気レシピに金目鯛をメインに使いたいと思っていたのですが、どの魚屋さんに行っても、スーパーに行っても手に入りませんでした...。

考えれば当たり前のことですよね。漁師さんも市場もお正月休みなので、魚屋さんにお目当ての魚がないわけです。年末の慌ただしさを言い訳に、年が明けてから料理写真を撮ろうと考えていた自分が悪いわけですが、代わりに買うことができたブリとタラをつかったみぞれ鍋をつくってみました。

◆二十四節気「小寒」レシピ
http://www.s-shoyu.com/howto/24/23.html

東京人に掲載いただきました

東京人

雑誌づくりって大変だと思うんです。発行日というゴールに向かって、企画案を練り上げて、紙面のレイアウトをつくって取材先を選定して、アポイントをとってライターさんとカメラマンさんを手配して、取材日当日を経て、ひたすら校正を繰り返して...そして、一つが完成すると次の企画がまたスタートする。この繰り返しをしていればどんどん流れ作業になってしまうと思うんです。ただ、今回ご担当いただいた片岡さんという女性の丁寧さに最初から驚きっぱなしでした。

最初にいただいたのはとびきり丁寧なメールでした。誌面の紹介からはじまって、どうして職人醤油を知ったのか、その時の印象から実際に使っていただいた感想、取材日程や当日の流れなど読み手の立場にたってイメージしやすいように、返信しやすいように綺麗にまとめてくれていました。その後のやりとりももちろんこの調子なわけで、毎回こんなに丁寧に対応しているとしたらすごいことだなって。

そして、今回の文章を書いてくださったのが藤田千恵子さん。食と日本酒の執筆の世界では有名な方で、著書である「極上の調味料を求めて」は職人醤油をスタートしたころに読ませていただきました。そんなわけで、ダブルで嬉しいことが重なった印象深い取材となりました。東京人(2017年1月号)に福島屋さんやFOOD&COMPANYさん、AKOMEYAさんなど有名な食のセレクトショップと並んでご紹介いただきました。ぜひご覧いただけますと幸いです。